第9回秋田大会

日時

2000年7月29日(土)、30日(日)

会場

たざわこ芸術村(秋田県仙北郡田沢湖町)

大会会長

管野 紀子

プログラム   

【7月29日】
WS「車イスで表現するために
    −肢体不自由養護学校の立場から−」松原 豊
WS「中高年のための踊り講座」清家久美子
WS「ホリスティックエクササイズ」土平英愛
総会
WS「心と体の会話−民族舞踊や太鼓を使って」黒田龍夫
WS「高齢者のためのダンス・セラピー 」大沼幸子
講義「心の癒しと健康 〜東西両医学からみて」高島 充
WS「体軸のバランスとゆらぎ」中澤智、杉本 清美
WS「 高齢者のためのダンス・セラピー 」 町田 章一
発表「中学校相談室における
    ダンスセラピーの試み」天野敬子
懇親会

【7月30日】
WS「感覚をめざめさせるエクササイズ」芙二 三枝子
WS「ボディラーニングと
    舞踏ダンスメソッド 」葛西俊治、竹内実花
WS「『表現へ』−こころとからだのレッスン」照屋 洋
WS「ボディートーク」鹿島由起、鹿島有子
WS「導引養生功」小林恵津子
講義「ダンス・リズム運動の精神生理学」平井タカネ
シンポジウム 「ダンスセラピストの資格」
研究「3次元舞踊符として見たダンスセラピーの動き」
  わらび座デジタルアートファクトリー 長瀬一男
講義「アメリカダンスセラピー協会の現状
    −リストサーブでの意見交換−」崎山ゆかり
講義「医療と倫理−セラピストにまつわる
    倫理的な問題を歴史から学ぶ」山中克己
(以上、WSはワークショップの略)

第9回総会報告

 平成12年7月29日(土)、たざわこ芸術村において、第9回総会が開かれた。議長は管野紀子理事(第9回総会大会会長)、副議長は町田章一理事(第10回総会大会会長)であった。

議題1 平成8年度事業報告
 町田章一理事(事務局担当)から次のような報告があり、承認された。
(1) 理事会を1回(平成12年7月28日)開いた。(内容については「理事会報告」を参照)
(2) 第8回総会大会(平成11年10月2日〜3日)を開催した。清水美和子理事が総会大会会長、とやま自遊館が会場となり、133名(2日通しは97名)の参加者があった。大会基金へ 232,518円の寄付を行った(JADTA News No.42, p.2参照)。
(3) 協会誌『ダンスセラピー研究』創刊号を発刊した。平井タカネ理事担当。
(4) 機関誌「JADTA News」を6回(39〜44号)発行した。なお、40号はADTA国際委員会での各国代表の発表抄録集(英語)である。星野仁、崎山ゆかり、町田章一理事担当。
(5) インターネットにJADTAのホームページを開き、定期的に情報を発信した。星野仁理事担当。国内国外からの問い合わせも多い。
(6) 研究会を10回開いた(第69回〜78回)。大沼幸子理事担当。
(7) 資格認定事業により、平成12年7月28日付けで第1回資格認定者(大沼幸子)が誕生し、芙二三枝子会長から披露された。
(8) その他、国内国外にて会員がワークショップを開いたり、学会発表を行ったり、論文や著書の執筆活動を行った。
*「第34回ADTA(米国ダンス・セラピー協会)年次総会がシカゴで開催され、斉藤葉子、崎山ゆかり、永井順子、町田章一他が出席した。
(9) 会費督促の件。鹿島由起理事の監督のもとに会費の督促を行い、成果を上げた。会計報告参照。
(10) 事務局の近況。事務局に専用電話・FAX(03-5605-8283)を設置した。ダンス・セラピーに対する問い合わせが急増し、毎月30〜40件に上る。

議題2 新入会員、退会会員の報告
 理事会で入会を承認された「新会員リスト」「退会者リスト」が読み上げられ、会員に報告された。

新会員リスト(20名)会員番号順
土屋直子(京都市中京区)、藤原文江(広島県芦品郡新市町)、岩垣ちぐさ(大阪府和泉市)、亀谷真知子(東京都中野区)、服部ゆきの(東京都武蔵野市)、 松永幸子(富山市)、加藤静香(神奈川県平塚市)、蜷川栄子(富山市)、貴船恵子(東京都田無市)、大上由美子(神戸市須磨区)、渡邊達男(栃木県日光 市)、石川恭子(東京都新宿区)、野中ゆかり(東京都目黒区)、加藤信乃(神奈川県藤沢市)、美馬千秋(札幌市西区)、降旗幸子(長野県松本市)、高野里 子(茨城県つくば市)、一宮祐子(埼玉県川越市)、澤田好江(埼玉県大宮市)、望月健司(東京都江戸川区)、

退会者リスト(3名)会員番号順
吉田恵美子(東京都江戸川区)、志賀淳子(水戸市)、福島理恵(市川市)

 これまでの会員は 243名であったので、現在の会員数は 260名( =243+20-3)となった。

議題3 平成11年度会計報告、会計監査報告
 吉田恵美子理事(会計担当)から会計報告資料(6ページ参照)が配布され、町田章一理事から説明があった。照屋洋監事、清水美和子監事による会計監査報告の後、会員から承認された。
(1) 年会費収入が予算を上回った。これは回避督促業務の結果であり、特に賛助会員による一括納入(40万円)があったためである。
(2) 入会金収入は予算を下回った。事務局に対する非会員からの問い合わせは大幅に増加したが、資料を入手するだけで入会には至らない場合がほとんどであった。
(3) 売上収入は、平成11年10月の富山大会より、JADTA News のバックナンバーを有料としたために設定された。
(4) 通信費支出が予算を大きく上回った。これは平成12年になってから、非会員による事務局への問い合わせが増加し、6〜7月は1ヶ月に30〜40件に上っ た。その多くは参考資料の請求であった。これまで協会は広報活動の一環として,会報等の資料を無料で郵送していた。予想以上に支出が増加したため、平成 11年7月12日より、すべての協会資料を有料とした。それ以後、問い合わせの数は変わらないが、資料請求者の数は少なくなり、請求者の中からは着実に入 会希望者が出てくる傾向が見られる。
(5) 会議費支出は例年執行されていたが、前回は事務局の不手際により平成11年度予算に計上しなかった。今回の処理については会報誌上にて(JADTA News No.41 p.4 参照)会員の了解を得ている。

議題4 新役員の選出
(1) 理事の選出:立候補者、推薦者は無かった。事務局案が提案され、承認された。
新理事(五十音順):荒川香代子、岩下徹、梅田忠之、大沼幸子、鹿島有子、鹿島由起、鍛冶美幸、神山五郎、菅野紀子、斉藤葉子、佐伯敏子、崎山ゆかり、神 宮京子、増田明、庄司正臣、城石明喜子、平井タカネ、平田豪成、芙二三枝子、星野仁、堀切叙子、町田章一、松原豊、山岡有美、山中克己、望月健司、(26 名)
 *なお、総会会場では梶明子会員がこの中に含まれておりましたが、本人の受諾が得られませんでした。事務局の不手際をお詫びします。

(2) 会長、副会長、事務局担当理事の選出:新理事の中から以下の者が選出された。
 会長(1名):芙二三枝子
 副会長(2名):岩下徹、平井タカネ
 事務局担当理事(1名):町田章一
 会計(1名):望月健司
 監事(2名):清水美和子、照屋洋

(3) 評議員の選出:立候補者、推薦者は無かった。事務局案として、役員を除いた創立会員全員が推薦され、承認された。
評議員(五十音順):飯田洋子、市川照代、小口江美子、小野久美子、小野寺毅、小山田有里、葛西俊治、河辺初子、クロード・ロベルジュ、桑原かよ、小林芳 文、境田雅之、坂本徳俊、佐藤美智代、佐藤美菜、柴田文雄、島根ちひろ、武井路子、田中ふみ子、恒川洋、戸田由美子、楢林理一郎、西川小百合、橋本光代、 畑中若恵、平岡芳美、藤本美和子、村井千枝、元吉京子、森実仁美、山崎則子、山路弘樹、(32名)

議題5 平成12年度事業計画、及び、予算案
 町田章一理事(事務局長)から平成12年度予算案(下記参照)が提示され、承認された。
(1) 年会費収入は督促業務を強化しても、平成11年度程の成果は見込めないと予測し、減額した。
(2) 売上収入は、今年度から予算案に設定した。
(3) 通信費支出を極力抑えることにした。
(4) 印刷製本費支出には、十周年記念ビデオ作成費が含まれる。

議題6 第11回総会大会会長の選出
 第11回総会大会会長の立候補者、推薦者は無かった。事務局案として「第1候補を岩下徹(京都)、第2候補を増田明(大阪)、第3候補を大沼幸子(東 京)として交渉する」ことが承認された。また、来年の第10回総会大会会長については、昨年の富山大会において、町田章一理事が選出されたが、平田豪成理 事(東京都)に変更する提案がなされ、承認された。

議題7 その他
(1) 平成12年度学会誌編集委員会の構成が発表された。
(2) 資格制度検討委員会の構成が発表された。認定講習会の実行計画を作成する委員が発表された。
(3) 役員の選挙制度を改革する案が次回の理事会、総会で検討されることが伝えられた。
(4) 法人化の問題が検討された。
                     以上
               (文責 町田章一)

大会参加報告

「車椅子で表現するために」
 養護学校教諭 松原 豊

「車椅子に乗ったの初めてだったんですよ。」
「私もです。」
「まさかダンスが出来るとは思わなかったですよね。」
「しかも目をつぶってましたよね。ドキドキしましたが、でも不思議に心が解放できる感じがしました。」
「そう、体のどこか一部分にふれてもらっていると、車椅子に乗っていて目をつぶっていてダンス風に動かされても怖くないんですよ。でも、体に触れていないで車椅子だけを動かされていると、ジェットコースターに乗っているみたい(笑)少し怖いね。」
「車椅子ってゲーム感覚で乗れるという感じですね。本当は障害をもった人がそれを克服するための大事な道具なのでしょうが、それを逆手にとってもっと、心を解放させてあげる手段として指導者は使っていってあげるということが大事なんじゃないかなと思っ たりしました。」
「こんなにも車椅子の生活をエンジョイできるんだよって思わせてあげることが大事なんじゃないかなって思えますね。」
「少し残念だったのは、先生が楽器をもってこられていたらしいのですが、時間がなくて実践してもらえなかったことですね。」
「そうですね。ダンスも音楽も共通点があると思いますから、ぜひ体験したかったですね。」
「今度受講できる機会があったら、楽器の方からやって欲しい!(笑)」
「でも、本当に楽しかったですよね。」
「ぜひ、また経験したいです。」
   (大阪府 北村早苗& 秋田県 加藤智子)

「中高年のための踊り講座」
 わらび座ボディトレーナー 清家久美子

 角館に10時2分につきバスで会場へ、1992年にアジア大会の折りに来たので8年ぶりのわらび座である。芸術村として近辺の人たちからも親しま れる温泉となっていて、地ビールの館も建ち様子は一変していた。秋田杉や田園風景は昔のままにカッと照りつける太陽の下、第9回日本ダンスセラピー秋田大 会は開幕した。受付をすませて更衣室へ直行。すぐに裏の会場へゆく。「中高年のための踊り講座」わらび座の清家久美子さんのワークショップに参加した。 30名近い人の内訳は20代から70代(?)各世代参加しており年齢の巾があり、又運動能力も差があるように見受けられた。10時半から12時まで、軽い ウォーミングアップの後はひたすら清家久美子さんの動きを追って踊った。はぎれのよいテキパキとした飾り気のない雰囲気をもつ先生で、全体の年齢の巾を考 えて、途中からワークショップの方向も少し変更されたのではないかと思った。というのはウォーミングアップの後に「ドンパン節」や「ボケない小唄」という 曲をかけて踊ったけれど、唄の内容は「テレビばかり見ているとボケますよ・・・」という風な歌詞で、これをずーっと踊るのかなと思うと正直いって曲を聞い ているだけでゲンナリした気持ちになっていた。その気分を察して下さったのかどうか分からないけれど、若い人も多いのでこのような曲で踊るのは少時間で切 り上げ、後半は「釜坂おけさ」を丁寧に何回も教えてくれて、踊り抜いた後に静かなエンディングの動きをしばらくやって、ワークショップは終わった。イメー ジで大きなボールを両手にかかえて動くエンディングはよかった。「釜坂おけさ」という踊りはこの地方でもはじめて掘り起こした踊りだと云うことで、いろい ろ動きの特徴についての説明もあった。筆者は小さい頃から芙二三枝子舞踊研究所でモダンダンスのみをやってきたので、民謡の動きに詳しくはないが、地方そ れぞれに伝わる踊りの動きとその地方の人間との関連、地方色というものにはとても興味があって、この大会の後青森のねぶた祭り、盛岡のさんさ踊りをみてか ら東京に帰った。青森のねぶたの踊りの元気いっぱいの”はねる”だけの動き、盛岡の美しい手踊りと太鼓の音、この二つを比較してみても、青森のは太鼓も踊 りもほとんど練習なしでとびこめるものだが、さんさ踊りは何か月かはきちんと練習しなくてはとても列には加われない難しい踊りだ。小さい頃から盛岡に住む 友人は60歳近くになっても、まだこの手踊りはできないのよと云っていたのもうなずけることだった。「今大会は様々な人がさまざまな角度からダンス・セラ ピーに興味をもってもらう機会にしたいのです」と、秋田大会の管野紀子会長も云われていたように、本当に様々な人が参加されておられるように思った。わら び座の売店の方が遠慮がちにいわれた、「あのー、この大会は踊りが専門でない感じの方が沢山参加されておられるようですね」という言葉が印象に残った。地 ビールのおいしさと照りつける太陽、ゆぽぽにはいったあとの素足で歩く心地良さ、様々な人々からもらった「元気」でこの夏も元気で乗り切れることでしょ う。(佐藤美智世)

「ホリスティックエクササイズ」 
 日本ホリスティックエクササイズ研究会 代表 土平英愛

 土平英愛(つちひら・はなえ/日本ホリスティックエクササイズ研究会代表)さんによるWS「ホリスティックエクササイズ」は、大会初日、最初の WSの3つのうちのひとつである。大会は年々内容が多岐にわたり、同時に複数のWSが行われるようになり、どれを選ぶかが悩みの種という贅沢さである。ド ラエモンの「どこでもドア」で(ちょっと古いか?)アチコチ自由に動き回りたい、そんな気持ちにさせる大会の活気である。
 土平さんは元気そのもののエネルギーを、窓からの明るさいっぱいのやさしい気持ちに木造の稽古場にあふれさせ、開始時間前よりすでに参加者とのおしゃべ りが始まっている。このエクササイズの目的は、「心が動かす体」、「心と体の一致」である、と言う。そして中西医学結合(中国医学と西洋医学の意)が基本 にあり、中国武術奥義の口伝「意念要訣」(いねんようけつ)によって成っていると言う。
 おっと、難しくなってきた。が、このホリスティックエクササイズは、それを一般的にした「健康世界への入門法」であるとのこと。そして、疲れたなと感じ たら、自分のペースで水分をとり、甘味を補給するように、と、後ろに用意されているキャンディなどを指し示す。明るい波長を送ってくる土平さんに気分はリ ラックスであるが、不安もある。聞き慣れない「イネンヨウケツ」とは、一体?
 プログラムの要旨には、「人々は『こころ』と『からだ』の密接な関係に気付いているにもかかわらず、どちらか一方を軸にしたエクササイズが圧倒的多数で はないか?このホリスティックエクササイズは心身統一体で行うものである。」とある。東京に帰ってから、大辞林(三省堂)を開いてみると、「意念」とは、 思い・考え・意識であり、「要訣」とは、物事の奥義・秘訣ということであった。
 「心と体を一致させる」とは、動きなり動作なりイメージすること・想像することによってその意(こころ)を体に現すことだと、土平さんは言う。具体的な エクササイズのひとつに「重いものを持ち上げ場所を移す」というものがあった。稽古場の隅にあった暖房の灯油の入れものだろうか、それを持ち上げることを 心の中で想像し、何回も何回もイメージする。本来ならば、一人では簡単に持ち上げられないほどの重さだか、参加者のうち三人が挑戦した。そして、見事にク リア。WS終了後、その内の一人が、再挑戦したが、意がなくなっているため持ち上げることができなかった。「どうして?」と、本人自身も首をかしげてい る。短い時間、初めての経験でもあり、「心身統一体」という境地まで行かなかった参加者がほとんどだっただろうが、心と体がつながっているのだという感じ の”入口”にほんの少々立つことはできたのではないだろうか。貴重な、興味ある体験を得たWSであった。(堀切敍子) 

「心と体の会話−民族舞踊や太鼓を使って」黒田龍夫、わらび座歌舞グループ「飛翔」

 全国大会がわらび座で開催されると決まって,楽しみのひとつだったのがこのセッションです。といいますのも,お祭り男の私は太鼓に魅せられてい て,日本だろうが,アフリカだろうが,太鼓のセッションは何でもやりたいのです。実は8年前に,わらび座の太鼓の講習会に参加したことがあり,とても心弾 む経験をさせてもらったことがあります。今回も,その時の感激が新たによみがえるような,素敵な経験をさせていただきました。
 セッションの最初は,太鼓のリズムを,身近な言葉を手がかりにして,たたいてみるというワークでした。日本の伝統的な楽器演奏は,口伝で行なうことが多 いようですが,さらにそれを言葉に置き換えたのはユニークな試みだと思います。私も知的障害のある子ども達のダンス活動の際,動きを引き出すときに,擬態 語,擬音語を使うと効果的なことがよくあります。やはり,知的障害の方の指導を通して生み出された方法だとお聞きしましたが,自分のやり方に対して,大き なエールをいただいたようなきがしました。もちろん太鼓からは元気の気をたくさんもらえました。次に外に出て,「畑の踊り」「小鳥の舞」?などを自然の気 を身体に受けながら,踊りました.時間がなくて,「畑の踊り」を全て習得できなかったのは残念ですが,「小鳥の舞」はしっかり習得しましたので,子ども達 と一緒に舞ってみようと思っています。最後は2人組になってのブラインド・ウォークのワークでした。外を歩き大地や草の感触を楽しみ,稽古場の中では様々 な障害物をくぐり,登ることを通して,気づきとペアになった人からのやさしい気をもらいました。
 本来なら,2日くらいかけてじっくり行なう内容なのでしょう。講師の黒さんには,短時間のセッションで申し訳なかったのですが,その楽しくパワフルな指 導と「飛翔」の皆さんのてきぱきとした援助で,本当に楽しく,元気になることができたと思います.ありがとうございました。(松原 豊)

「高齢者のためのダンスセラピー 」
 東邦医療短期大学 大沼幸子

 身体変化の衰えというのが高齢者の特徴でありますが、個人差が大きいことも特徴です。現在集団でセラピーを実施ているなか、どのようにして集団の中の個人の特徴に対応していくのかというお話と実技をしていただきました。
 まず、率直な感想を一言で言うと、あったかーい忘れ物を、それもずうーっと幼いころに忘れていた…まるで「森のくまさん」の歌に出てくる、「白い貝殻の 小さなイヤリング〜♪♪」、そんなものをプレゼントされた感じでした。それがどんな時に、何をした時なのかってことは後のお楽しみです。
 椅子を円にしてそこでみんなで丸く座りました。足を伸ばしたり、手をニョロニョロと、いえ、フワフワと動かして、ほぐしたり、大沼さんが一人一人をま わって、エネルギーの交換のようなしぐさをしてくれました。押したり引いたり、そして「わっ!!」と気合のようなかけ声をかけ合ったり…一人がリーダーに なって、両手の平をいっぱいに広げてワッ!とみんなの方に投げかけると、そのタイミングを肌で感じて、同時に皆さんもワッ!と返すということをしました。
 ちょうど私がそのリーダー役に当てられて、少しドキドキしていましたら、「このエネルギーを感じ取れなくて外したら、みんなの責任よ」などとジョークを 飛ばして、気楽にしてくれました。いよいよです。ワッ!と両手をいっぱいに広げてみんなに投げかけた瞬間、同じタイミングでみんなのパワーもワッ! ! !ときました。気持ちい〜〜、うれしい〜〜 心がニヤニヤした気分です。
 次は私のお隣さんがリーダー役になりました。私もうまくお返しできるかしら?? さあいきますよ! ウー ワッ! できたあ。みんなが一つになって、気持ちい--。
 そして今度は筋力をつける運動です。足を持ち上げたり、交差させたり。高齢者の方がこんなことできるのかしら??と思う反面、それをやってみようという心を誘うことで、やる気が起こったり、スキルアップにつながったり、ということがあるんだなと感じました。
 さらにその気にさせるテクニックとして、ストレッチした足に手をそろえて、ポーズをとってくれます。一人一人に。そのポーズがそれぞれ違うので、見てる まわりの方たちも楽しいし、次は何が出てくるかな、など、ポーズをとられた自分もすっかりその気になってポーズして、つま先まで伸びちゃったりして…
 それから徐々にダンスになっていきます。ゆっくりと言葉がけをして目と目がピピッと合ったら、マリア様のように?!手を差し伸べます。誘われた方はみん なとても気持ちよく、まるでシャルウィダンスのように、時にはブルース、時にはワルツ…と、とても心地よくリードをとって下さいました。一人一人、ランダ ムに手をとってゆくと、自分の番が待ち遠しくなったり、次は誰? そしてどんなダンスが始まるの? ととても楽しみになります。 すべての人が終ったら、いっせいに阿波踊りです。手をずーっと上げっぱなしで疲れたら、下に向けたり、横に向けたり、誰かさんと向かい合ってみたり、同じ アホなら踊らなにゃソンソンそのものでした。最後は手の先や頭の先までゆったりと、トリートメントするように…。
 何気ない、いつもの動きに一つ、+愛 という感じでした。どれをとっても一つ一つ、もしかすると、いわゆる「よくあるパターン」というものでも、そこには心に働きかけるスパイスが必ずと言って いいほどあったような気がしました。とても幼いころに"おかあさん"にやさしくされた思い出や、やさしくされたかった思いをそこで見たような…ちょっとま わりを気にして気どってみたり、かっこつけたりしていた自分に、もしくはしたかった自分に、「ほら、おみやげだよ」って、気軽にもらったプレゼントで心を 開かせてくれたり…ムリしなくていいよって、ムリに笑顔つくってみたり、ムリに元気いっぱいにしなくても、ホワンとしてても、自分は出せるよって、やさし く語りかけてくれたみたいでした。最後に、あーあ、気持ちよかった。(杉本清美)

「心の癒しと健康〜東西両医学からみて」エル・エイチ・ラボ代表取締役 高島充

 私たちが病気やけがをし病院で治療を受けるとき、その大多数が西洋医学の考えに則った理論や手法だと思うのですが、この講座を担当なさった高島先 生はやわらかな口調で、けして西洋医学を否定するのではなく、東洋医学的な考えのユニークさを教えて下さったように思います。東洋医学を支える東洋哲学と いう考え、陰陽五行説などから数字の「5」をひとつのキーワードに、具体的な養生論のような例をたくさんあげて下さいました。
 さらに、「脈診」という人の脈にふれることでその人の健康状態を把握できる東洋の手法を、いわゆる科学的な観点から計測可能な装置を開発され、機械的に 数値としてデータに表すということに挑戦されていることを説明されていました。ソニーの故盛田会長の健康面を支えておられた背景からのエピソードも聞かせ ていただき、ユニークな内容の講座だったように思います。そんな中、質疑応答の場面で芙二三枝子会長が、このテーマとダンスセラピーを結びつけるお話をし て下さいました。ただ流れるように講義を聴いていた私としては、その内容と自分たちが関わるダンスセラピーとの関係を常に自問自答していく重要性をさりげ なく指摘して下さったことに、あらためて「そうなんだなぁ・・・」と感銘を受けました。JADTAの大会では毎年さまざまな講座が開かれていますが、そこ から何を学ぶか以上に、講座での体験をもとに日頃の自分の活動をどう広げていくか、その橋渡しについていつも考えていることが大事なのだという原点に戻れ たように思います。(崎山ゆかり)

「体軸のバランスとゆらぎ」
 Studio AWAKE 中澤智,杉本清美

 セッションは、まず身体の3本の軸についての中澤氏の講義から始まった。・・・適切に調整した体は、各軸をそれぞれ中心とした対称的な回旋運動を する。しかし、普段は筋肉の緊張のアンバランスなどのため回旋の可動域が非対称になることが多い。・・・これらのことを会場の参加者の非対称な動きを例に して説明された。
 アンバランスな状態の簡単な調整法も実演され、参加者間でペアとなって体験した。
非対称な状態が簡単に修正されるため、会場から驚きの声が聞こえた。
 次に杉本氏から、このような調整法の原理を応用した、一人で行うエクササイズが紹介された。ダンスバージョンもあり、時間はあっという間に過ぎてしまった。
 今振り返ると、演者らの伝えたい内容を、この短時間内ですべて理解するのは、私にとって大変難しいことだったと思う。3本の軸のまわりの動きを1本ずつ 調整する結果、3本の軸の間のバランスが調整されるのが「体軸のバランス」の意味なのか?・・・などの思考回路が働き出すと、杉本氏のせっかくのエクササ イズを心身で味わうのが全く難しくなってしまった。
 まず先にエクササイズやダンスに十分な時間をとり、心身のリラックスを体感し、その後、行った動きの特徴や構成原理の説明を受けていたら、もっとストンと腑に落ちて満足感も大きかったのではないだろうか。質疑応答の時間も欲しかった。
 参加者には様々なタイプの人がいるため、こうした多人数のセッションを運営する側は非常に大変だと思う。このセッションでは、理論的な説明が先にあった ため、知的に納得して動け、満足した参加者も多かったと思う。また日頃のダンス・ムーブメントセラピー(DMT)に取り入れる技法を学べたことを喜んだ参 加者もいると思う。しかし、私のように、何も考えずにまず、自分の心身を感じ、日々の疲れを癒したいという人も少なからず居たのではないだろうか。参加者 の個別のニードをすべて満足させることは不可能に近いことと承知していながらも、残念ではあった。
 杉本氏は札幌在住の日本舞踊の師範であり、エアロビクスダンスやDMTも行うユニークなJADTA会員だ。日本舞踊の調息・調身・調心の考え方が心身の 癒しに繋がるというJADTAニュースの故池見酉次郎先生の記事に共感と感動を覚えたとのこと。今回つかみきれなかったセッションの真髄を、札幌での今後 の交流から学びたいと思う。(渡辺明日香)

「高齢者のためのダンス・セラピー」
 大妻女子大学 町田章一

 フラダンスを始めて3年、ボランティアで老人ホームを訪問した際、踊りを見て頂くだけでは――と感じていた時、以前から興味のあったダンスセラ ピーを取り入れたら良いのではないかと思い立ち、事務局長の町田先生から、親切にご案内を頂き、今回、秋田での全国大会に初めて参加、町田先生のワーク ショップをワクワクしながら受講しました。
 「高齢者向けですと、まず安全で、楽しく、一人ひとりが参加でき、自由に動けるチャンス作り」と、町田先生の柔和な表情と、やさしい語りかけにより、リラックスして、全員椅子席で丸くなり、始まりました。
・ 挨拶…一人ずつ順に立ち、回っていきながら、ゆっくり目の前の人とふれあい、コミュニケーションを図る。
・ 両手を広げる…音楽に合わせて手をブラブラさせる。変わった動きをしている人がいたら、その人の真似を皆でする。両膝を叩く。両手をキラキラさせたり、ホ タルのようにパッ☆パッ☆空気をかき回すように、また、お風呂をかき回すように、いろいろなイメージをしながら、自由に両手や、上体を動かす。
・ 声を出す…両手を上げながら、各々思いつくまま、「若返る! 寿命が延びる! お金が増える!etc…」プラス思考の言葉出し。
・ 歌う…「季節の歌」を、とのなげかけに、♪夏も近づく八十八夜…」手拍子〜隣の人 膝拍子、調子が出てきて、中央に2人ペアで出て、昔懐かしい「セッセッセ」
・ 踊る…2人組み〜3人〜数人組んで、横歩きやフォークダンス風にステップしながら、うねったり、くぐったり ♪とおりゃんせ♪
・ 新聞紙を使って…棒状に丸めて、各自肩たたき。隣の人の肩も。
・ 大バルーンをふくらませて…新聞の棒で思いきり、打ち上げ合い。
・ バンザーイ…ちょっとしたことや良いことのあった人、中央に出てきて発表。皆で一緒にバンザイをする。
・ 三本ジメ…大きく、また、小さく、さまざまに手拍子を打ち、笑いのうちに終了。

 車椅子使用の方に対すること、タンバリンやカスタネット等、楽器を使用する場合のことも考えて頂き、無心になって動き、心地よい汗をかき、ツキソ イで同行してくれた娘も「日頃のストレスが解消され、心身共にリフレッシュでき、参加して良かった」と喜んでおり、私も感動と感謝で一杯でして、やる気が あふれてきました。
 数日後、ボランティア仲間の会合があり、高齢者が多かったので、さっそく勉強してきたことを実践。皆さんに喜んでもらうことができました。
 これからもさまざまな場所で、フラダンスに添えて、町田先生に教えて頂いたことを活用し、ふれあう方々と共に、お互い"心の安らぎ"と"いのち"を輝かせていきたいと思います。(塩崎富士子)

「中学校相談室におけるダンスセラピーの試み」
 スクールソーシャルワーカー 天野敬子

 登校拒否の子どもたちとのダンスセラピーの取り組みを天野敬子さんが報告し、それをもとに討論するという内容でした。ダンスセラピーで何ができる か最初から目に見えるものではないし、実践しようとする自分自身との葛藤もあるわけで、客観的に見つめながら進めていく難しさなど、現場でのいろいろな苦 労を感じました。
 僕自身は役者として、わらび座を訪れる修学旅行の中高生たちにソーラン節を教える仕事をしていますが、生きている子どもたちと踊りを通して心を通わせて いくのは、創造の中でも一番きびしい仕事だと思っています。本物の大人の関わり方を、体全体、生きざま全体でぶつけていくこと仕事だからです。日本の歌や 踊りのエネルギーは数百年を越えて、読み書きもできない子どもたちが人生を一つ一つ染み込ませてきたものです。そういうことを踊りを通して子どもたちとど う語り合えるかを考えながらやっています。
 そんな日頃の内容を振り返りながら、子どもたちの現実とぶつかりながら、本当はわかりたい、ほめられたいと願う子どもたちと心通わせ、生きた踊りでその 瞬間に処方していくのがダンスセラピーなのだと思いました。それには何より踊りが楽しく、元気であることが大事ではないかと思いました。(黒田 龍夫)

懇親会

「感覚をめざめさせるエクササイズ」
 芙二三枝子舞踊団 芙二三枝子

 芙二先生は以前にもわらび座で「感覚をめざめさせるトレーニング」をやっていただいたことがあり、ぜひ一度受講してみたかった講座でした。
 内容はいろいろな方法を使っての体ほぐしで、単純なところから始まって、ペアで次第に体を解放していきま 芙二先生は以前にもわらび座で「感覚をめざめさせるトレーニング」をやっていただいたことがあり、ぜひ一度受講してみたかった講座でした。
 内容はいろいろな方法を使っての体ほぐしで、単純なところから始まって、ペアで次第に体を解放していきました。2人組みになっての力を利用し、体を伸ば し、呼吸を下げながらエクササイズが進むうち、私はかなりの脱力が得られました。日頃は一般事務の仕事をしていて、日常特に何もしていないのですが、首筋 から足の裏まで、まさに全身がほぐれた感じでした。終ったときには、マッサージなどの治療をした後のような血の巡りのよさでした。一言で言えば、とにかく 「気持ちよかった」につきます。
 この講座のエクササイズで印象に残ったものはペアでやるものが多く、一人が寝て、あとの一人が振動させていくものは特に気持ちよかったのですが、日常一人でどうやったらいいのか。一人でやる場合の内容をつかめればよかったと終ってから思っています。(大川 真理子)

「ボディラーニングと舞踏ダンスメソッド」北海道工業大学 葛西俊治
 舞踏集団「偶成天」舞踏家 竹内実花

 鎖骨を骨折され、制限ある身体でありながら最大限にじっくりゆっくりと動いていたことが印象に残っています。ちょっと近づきがたいような崇高なイメージとは違い、一言一言がおだやかに語りかけられていました。
 動きの方は、野口体操がベースにあるとのことで脱力を中心に展開されていきました。私自身も野口体操は経験していたのですが、かなり違っており、葛西先 生なりにアレンジされているのだなと感じました。全てがゆっくりで横になっていて眠くなってしまうほどで、力が抜けきったところで時間となってしまい、本 来はもっと時間が必要なものなんだろうなと思いました。願わくばもう少し、表現の時間があれば得られるものもまた一味違ってくるのではないかと思います。 (大沼幸子)

 私は「舞踏」というとどこか敬遠していたところがあったのだが、前日深夜のどこからともなく集まってきた方たちとのロビーでの集いで、葛西先生のお話しを聞いているうちに受けてみようかなと思った。
 まず始めに、今日は時間がないので、「ボディラーニング」だけになることを告げられ、視野を広げるワークから入る。目の前に両手の人さし指を立て、それ を指が見えなくなる手前まで左右にゆっくりと広げていく。一つのものに注目するのではなく、眼の周辺の筋肉を使うとか。何だか少しぼーっとする感覚であ る。
 次に、重心をゆっくり後ろに移すワーク。そのままだと倒れてしまうわけだが、倒れる瞬間の身体の動きを感じること。なるほど、繰り返していると、バラン スをくずす瞬間に身体に痙攣がおきる。どうやら、この<ゆっくりと>がキーワードのようだ。舞踏でスローな動きが多いのは、ゆっくり動こうとしているので はなく、感じながら動こうとすると必然的にゆっくりになるのだという説明。
 次に、あごをゆるめるワーク。社会的な仮面をとろうというもの。下あごを前突き出してからゆっくりと大きく口をあける。この反対のやり方で口を閉じる。 葛西先生の指示に対しても、にっこり笑ったりうなづいたりするしなくてもいいですよと言われる。普段、コミュニケーションをスムーズにするために必要以上 の笑顔をつくってしまったり、そんなところで疲れてしまうこともあるだろう。
 顔の力が抜けてきたところで、今度は片足に体重をのせて、横に脱力。うでや頭の力を抜く。わらび座のスタジオに風が入り、自然との心地良い一体感。意識と無意識の間を行ったり来たりしながら感じているそうだ。
 寝転んで、手を上にあげる。肩甲骨に腕をのせる感じ。力を感じずにすむポイントがある。うでが揺れることをイメージすると、揺れたりする。
 横を向いてひざをかかえて、おでこで支えて座る。最後に頭をゆっくり戻す。
この頃になると身体の力がすっかり抜けてとてもリラックスしていた。
 最後に身体を目覚めさせるワークを少しして終わった。80分という時間はあっという間で、通常は最低でも2時間使って行われるそうだ。今度はもう少し長い時間を使って、「舞踏ダンスメソッド」も体験してみたいと思った。(天野敬子)

「『表現』へ −こころとからだのレッスン」
 中学校教諭 照屋 洋

 今回の大会は興味深い講義とワークショップで充実、おまけにすばらしい温泉と美味しい地ビールつき、もう大満足でした。年々増える大会の内容に、 全部に参加したいと願う欲張りな私は大弱りでした。そんな中で、照屋氏のワークショップは毎年楽しみにしているもののひとつで、今年も参加して良かったと 実感の持てるものでした。長年にわたり中学生に演劇の指導を続けておられる照屋氏のワークショップには、実践で磨かれた確かさがあります。穏やかな自然体 とも感じられる存在感、けっして強すぎない指示にしたがって「あそんで」いるうちに、様々な表現へのステップが展開していく「しかけ」になっているのです ね。今回の流れは、ウォーミングアップから始まり、一気に参加者の緊張や垣根を取り外すような面白いゲームに移ります。心と身体がワイワイとゆるんで来た 頃から動きに指示が入り、動くことと静止することが繰り返されます。この精・動のパターンの中で一人・二人・三人・グループでの心ある身体の表現へと深め られ広げられていくのです。個人の表現が多様になること、そのことは個人の可能性が具体的に広がることでもありましょう。現代社会が孕む様々な状況は、人 が人であることを難しくしています。そんな影響が色濃く出る中学校で子供達を指導されている照屋氏の技法の数々には、「〜に効きます」と言った効用書的な インパクトはないのですが、子供達との関係が試行錯誤されながら磨かれ続けている面白さがあるように思えるのです。それにしても感心してしまうことは、 「穏やかな自然体とも感じられる存在感」をかたちづけているものは大変な粘り強さに違いないことと、このレッスンは入口であり、この後にこそ子供達との創 造的な表現への模索の場があるといことです。(やまもとひろみ)

「ボディトーク」  鹿島由紀 鹿島有子

 私はわらび座で音楽講師・ボイストレーナーの仕事をしているので、以前からボディトーク−からだと声−に興味があり、増田明先生のレッスンを受けたこともあります。今回もこの講座を楽しみにして参加しました。
 内容は、以前のものと同じく、脱力や、声を出しながらペンギンみたいに歩いたり、人に出会って声を出したり、声を出しながらアイスクリームが溶けるように倒れたり、体を叩きながら凝っているところを見つけていったり、等々でした。
 いろいろなアプローチをしながら、あらためて、自然な声はきれいな声で、無理をしている声は汚い声だということがよくわかり、とても勉強になる講座でし た。今回初めて受講したわらび座の研究生たちも「声を出すことと体の動きが合ったとき、こんなにスムーズに動けるものかと思った」と言っています。
 今回の講師は鹿島由起、有子さん姉妹でしたが、教える2人の呼吸がぴったりと合っていることにまず感心しました。蛇足でごめんなさい。本当に楽しく参加できました。(湊愛子)

「導引養生功」
 社会体育研究所ミュージックスポーツ部所長 小林恵津子

 大会のプログラムに「導引養生功とは、北京体育大学教授の張広徳老師が自らのガンとのたたかいを通じ、古代の導引術、武術、気功、養生法、家伝の 自我医療気功を土台として編成した医学気功」とある。私自身、気功には10年ほど前に興味をもち、しばらく通ったこともあるので、この講座は大変楽しみで あった。
 初めに経絡やツボの話があった。陰陽学をふまえて、特に手首のツボを中心に話されたが、小林先生の説明は明快でわかりやすい。気功の先生によっては、話 がやたら哲学的であったり神秘的であったりすることがあり、それだけで抵抗をもってしまう人も少なくない。結果が目に見える形ですぐに出てこないことや実 感としてとらえにくいことも、気功になじめない人を生む要因ともなっていると思われる。
 その点今回の講座は、説明のあとすぐに目に見える形で体験することができた。
 片手を上げ、手首を曲げて五指を自分に向ける。そうして手首のつぼを自分で刺激する姿勢をしばらくとったあと、両手を比べてみると、手の平の色が左右ちがっている。上に上げた手の平の方が赤くなっていて、明らかに血流量がふえているのがわかる。
 また、私は両肩が痛くて両手を真っすぐ上に上げられない状態だったが、小林先生に手とひじのツボを押しながらぐるぐるまわしていただくと、自分でも信じられないくらい真っすぐに手を伸ばすことができた。
 こうした、経路やツボ、気血理論などに基づいた「導引養生功」を、先生はオリジナルの音楽とともに4つの動きにまとめられていた。誰もがわかりやすく学びやすく工夫されたこの4つの動きを、音楽に合わせて動いたところで時間がきてしまった。
 最後に、先生からいただいたプリント「導引養生功の特徴」を抜粋しておこうと思う。
  経路学説を基に編成
  気血理論を中核とする
  臓腑学説と陰陽五行説を功法に運用
  情緒の安定を重視する
  近代医学も取り入れている
                   (照屋洋)

「ダンス・リズム運動の精神生理学」  奈良女子大学 平井タカネ

 心と身体の連結を表現するダンスや技術的動作としてのスポーツに於いて”人はなぜ動くのか”についてその原点を探り、様々な実験結果を用いて裏づけていく極めて興味のある講座でした。
 はじめにダンス・リズム運動の活動特性と精神療法的要因をとりあげ心と結びついた表現や非日常的なリズムと非競争的な動作の特性を述べた後にダンス・リズム運動に伴う心理的生理的変化について
1)イメージの身体的表現に伴うボディイメージの変化
2)音のリズムの影響
3)ボディコンタクトと心理生理
をそれぞれ多くの実験結果を基に解説されました。特に2)では、身体内部機能に重点をおき、周波数の異なる音や、ステップ台を使用した実験による心拍、呼吸、脳波のデータをもとに、身体機能と心と脳との関わりを解く科学的な面に特徴がありました。
 講座の後半3)では、掌による肩、膝への変化をつけたタッチ(置く、なでる、たたく)等、現実感のある実験結果が示され参加者の関心を呼び、その後ディスカッションに展開しました。
 この講座は、多くの貴重な資料を参考にすすめられました。平井講師の資料作成に対する時間と熱意に感謝します。この講座を通して心と身体の結びつき、ま た音と動きの関係について科学的に解析していくことの重要性と、ダンスセラピーを理論的に裏づける新たな方向性が示された思いがしました。(永井順子)

シンポジウム「ダンスセラピストの資格」
 パネリスト:平井タカネ、大沼幸子、崎山ゆかり、松原豊。司会:町田章一

 ダンスセラピストの資格について、フロアーとのディスカッションも交え、熱心な討議がなされた。以下にまとめた。
(1)資格制度検討委員会平井タカネより報告
 ・日本ダンス・セラピー協会認定ダンスセラピスト第1号を認定した。
 ・アメリカダンスセラピー協会(ADTA)を参考にした。
 ・職場は
  1)精神障害者の場面。メディカルスタッフの一人。
  2)教育の場面では子ども心身の発達にかかわる。
  3)福祉の場面。
 ・どの職場、場面においても、創造的に場を作っていける人が必要であり、ハードルは高い。
(2)第1号認定者 大沼幸子より
 資格申請者用紙の内容は、大変厳しい内容であった。精神病棟における8年間のセッションの総時間数でも不足であり、その他もプラスしてようやく時間数をクリアーし、とにかくトライした。以下6点について報告があった。
 1)臨床経験を重ねている者のみが申請の対象者となる。
 2)所属長の証明が必要。
 3)推薦状が必要。(医師など)
 4)ダンス経験は、モダンダンスにその他のダンスが1種類必要となる。
 5)論文提出
  (私は、セラピストの人間性、暖かさを大事にまとめ提出をした。)
 6)実技試験では日頃行っているセッションを行った。
  (審査員より、よい点を認めてもらいホッとした。目標に向かって研鑽できる仲間がほしい。)
(3)アメリカダンスセラピー協会(ADTA)のオル
 タネート制で資格認定を受けた 崎山ゆかりより
 1)さまざまな領域の方のアドバイスを受けた。
 2)患者さんから教えられることが多い。日本でも地道に継続すれば可能である。
(4)教育の現場で 松原豊より
 1)セラピストの役目
   医療−治療、機能訓練、健康、心理的解放 
    →ダンス・ムーブメントセラピスト
   福祉−コミュニケーション、癒し
   教育−生きがい、気づき、QOLの向上
  →サイコ・セラピスト
     ダンス・ムーブメントリーダー
     ケアダンス・ムーブメントリーダー
 2)問題点
   ・セラピーの範囲はどこまでか。
   ・セラピストがどこまで責任を負えるのか。
   ・セラピストの社会的認知は。

以上パネリストより報告、発表がなされた。続いてフロアーからの質問・意見が述べられた。
(5)ディスカッションの内容
 ・モダンダンスが入っている理由は?
  ダンスの在り方が自由である。(動作や形にこだわらないし、ルールがない。)
空間の発見、制約がなく、その人なりでよい。
 ・リーダーということで、まず認めたらよいのではないか。段階的に与えていけばいいと思う。
 ・どちらかが上下ではなく、とりやすい所からとったらよいと思う。
 ・枠組みが必要な人のセッションに直面したときはどうしたらよいか?
  スーパービジョンのアドバイスと指導が必要。
  またどこまで責任を負えるかの判断が必要である。
 ・日本のレベルでもっとたくさんのセラピストが生まれ、社会的に認知され、しかも各地に拡がった
  らと思う。
  レベルでいくのか、0でいくのかは、社会的現状から考えていいかもしれない。
 ・松原私案は良いと思う。
  (リーダーとして活動している人が多数いるので、そこから認めていく)
 ・アメリカの場合は、養成コースがすでにあり、制度化されているが、日本はそうではない。
  実際に活動している人を核にして、認定、養成していったらどうか。
 ・臨床は医療の分野であるが、今現場でやっている人の方が人間の身体をよく知っている。もっと幅
  を広げてやったらよい。まず、認定してから養成してもよいと思う。
 ・10年後には、100名位になったらいいと思う。
 ・他分野での問題例。音楽療法では400人〜500人が認定されているが、療法の分野で軋轢が
  生じている。
  (例えば子どもが良くならないのは、本人が悪いのではなどと言ったり、問題の多い養成校があ
  ったりなど。)
 ・申請の意志のある人は、資料をそろえ、相談もしてほしい。
 ・芙二三枝子会長より、日本の教育現場の現状は深刻である。アメリカではどのようにしているの
  か、また、日本の教育界には、どのような説得していくかが大事であると思う。
 
 以上のような意見・案が出された。理事会でも認定制度の検討・工夫について、今大会での意見を参考に討議していくということで終了とした。(鹿島由起)

「3次元舞踊符として見たダンスセラピーの動き」
 わらび座デジタルアートファクトリー 長瀬一男

 宿泊したゆぽぽホテルのすぐ近くに位置する「デジタルアートファクトリー」。ずらりとパソコンが並ぶ部屋を抜けると奥にモーションキャプチャー専 用のスタジオがある。わらび座の昔ながらのなつかしい匂いのするスタジオの雰囲気とは打って変わって、そこは最新デジタルの世界。
 まず、「ここは、何をするところか。」という説明を受ける。モーションキャプチャーとは、人の動きを3次元データとしてコンピュータに取り組む方法。 CG(コンピュータ・グラフィクス)でつくったキャラクターに人間のようなリアルな動きをさせるときなどに用いられている。通常は光センサーで行われると いう。私がかつて映像の仕事をしていたときに一度だけ、モーションキャプチャーを使ったことがあるが、その時も光センサーであった。ところが、わらび座で は磁気センサーを使用している。通常のスタジオではいろいろと妨害があって、磁気センサーは使えないそうだが、わらび座のスタジオは木製のため可能だとい う。磁気センサーでは身体の角度によってセンサーが隠れることなく、360度あらゆる方向からそのデータをとることが出来るそうだ。スタジオには黒いボッ クスが2つ置かれており、そのボックスによって4m四方の磁場がつくられている。その範囲内を身体の関節など主要なスポット15ケ所にセンサーをつけた人 間が動き、データをとる。以前に製作された民族舞踊の映像をデモンストレーションとして見せていただく。こうして、民族芸能の記録をしていくのがひとつの 目的だという。確かに、真上からでも後ろからでも、胴体を輪切りにした状態でも、あらゆる方向からその動きを見ることが出来るので、ビデオでの一方向から の撮影とは違い、正確な動きを把握することが出来る。さて、スタジオには芙二先生の門下生鹿島さんが、既に重そうなセンサーを身体につけサポータでぐるぐ る巻きにされた状態でスタンバイされている。何だかつらそうである。一人で動いたときと誰かと共に「気の交流」をしながら動いたときとで、動きに差がでる か、という実験に入ろうというところで、アクシデント。何やら機械の調子がおかしいらしい。いざという時に、アクシデントというのは、世の常という か・・・ しばしの休憩の後、実験が行われたが、解析するまでに時間となってしまう。 このモーションキャプチャーをダンスセラピーにどのように応用でき るか。皆さんのアイデア次第というところでしょうか。興味深い実験をありがとうございました。(天野敬子)

「ADTAの現状 リストサーブでの意見交換」
 奈良県健康づくりセンター 崎山ゆかり

 今年も崎山さんよりアメリカダンスセラピー協会(ADTA)の現状について報告があった。資格認定についてのシンポジウムの後、同じ第1稽古場で 椅子を丸く並べ、和やかな雰囲気の中で行われた。内容がEメールを使ったADTAホームページ上での意見交換について、ということもあり、参加者の中には これからダンスセラピストをめざす若い世代が多く見受けられた。
リストサーブとはADTAのホームページから登録できるメーリングリストのことで、登録をすると協会宛に送られてくるEメールが自分のアドレスに自動転送 され、その全てを読むことができる。協会への事務的な問い合わせ、求人案内、文献の問い合わせ、ワークショップのお知らせ、協会からの連絡、研究面での論 議と意見交換など、さまざまな活用の仕方があるということだが、今回の発表は中でも意見交換に焦点が当てられた。
 意見交換のテーマ
 ・being groundedという言葉の意味について
 ・touchingの重要性について
 ・dance/movement therapyという用語について
 ・dance therapistという専門職の問題について
 ・セラピストの教育問題について など
 これからダンスセラピストをめざす私達にとって、興味深い内容ばかりである。参加者からは、誰でもADTA会員になれるのか、といった質問も出ていた。 私は初等教育学科の学生時代にシャロン・チェクリン先生の著書の訳書に出会って以来ダンスセラピーに興味を持ち、まず日本の協会員となった。3年前の奈良 大会でお会いしたチェクリン先生から直接ADTAに誘っていただき、大会後すぐに登録用紙が送られてきた。用紙を送り、会費を払えば、一介の幼稚園教諭 だった私もADTA会員となってしまった。ADTAの名簿にはメールアドレスも載っている。協会から送られてくる会報やチラシ、そしてホームページやメー ルで得た情報をもとに、アメリカ各地での短期ワークショップやアルバカーキでの大会に参加することができた。単身アメリカに乗り込む私にとってEメールは 強い味方だった。有名なダンスセラピストの先生と簡単にコンタクトが取れたりもした。不躾な私にも、親切なお返事を返して下さる人がたくさんいた。直接 メールを送ることが必ずしもいい方法とは言えないが、当時の私にはそれが精一杯だったと思う。
 ADTA会員にならなくてもホームページにアクセスすること、そしてリストサーブによってさらに、アメリカでの情報や意見を日本にいながらにしてダイレ クトに手にすることができる。これは利用しないわけにはいかない!?英語の得意な方はメールでどんどん参加していかれてはどうだろう。そしてこれからは、 日本でもアメリカのように積極的に意見を交換しあい、共に未来のダンスセラピストをめざしましょう!(北井めぐみ)

「医療と倫理−セラピストにまつわる倫理的な問題を歴史から学ぶ」
 名古屋市立中央看護専門学校長 山中克己

 第九回の秋田のダンスセラピーの全国大会におきまして、山中克己先生の医療と理論のプログラムに参加してとても驚いたことは参加者数の数の少なさ でした。そして参加者数がすくない小グループであったにもかかわらず講座のあとにほとんど意見というものがでなかったことにどうしていいかわからないとま どいがありました。
 プログラムの内容がなかなか難しい問題であったということもあったのかもしれませんがもしかしたら、これが現状で、これからダンスセラピーというもが発 展していくためにはこのような倫理規定を含めたプロフェッションとしての意識を高めていく必要があるかもしれないのかなぁと感じました。
 まず内容は医療と言う立場からセラピストとしての倫理的な問題と立場についての歴史的な内容でしたし中山先生の切り口がとてもおもしろいなぁと思いまし た。私の勉強不足もありましたが、あえて厳しい倫理規定を表明することでのプロフェッションとしての立場を確立していった背景もなにか啓蒙の時代から移行 するこの協会がどのような形でセラピストを養成していくかということにも関係するように感じられました。
 プログラムの最後のほうに日本ダンス・セラピー協会のダンスセラピスト倫理規定のスライドを見せていただきました。私はできれば会員にはこの倫理規定を 配布すべきだと思ったのです。というのは、ダンスセラピストという立場を非公式で活動されている方もきっと多いと感じておりますしセラピストと名乗ると言 うことはどういうことかということをもう少し意識すべきではないかと思ったからです。そしてその内容についても活発に意見が出されていきどんどんその規定 がより良いものに変化していくことが望ましいように感じられました。
 私が本協会のダンスセラピスト倫理規定で論議してもらいたいと思ったのは参加者とセラピストの身体接触の問題でした。ダンスセラピーやリラクセイション については身体接触は多かれ少なかれ逃れられない現実して存在していると私は考えています。そしてその「触れる」ということが様々な意味合いや問題が起き る大きな要因であることも確かなので慎重に取り扱わなければならないということも大きな問題として感じています。「触れる」ならばいいのですが「障る」こ ともあるということをもっと意識してほしいという思いからです。しかし危ないから「触れない」というのもなんだかおかしな話です。
 また、このこのとは私は札幌の精神科のなかのデイケアの施設でリラクセイションを一年間担当させていただいている中でそのことはいつも気をつけていたこ とだったからかもしれません。私の担当している場はオープンな場でもありますしメンバーの中に看護婦のみなさんも参加してスタッフのみなさんにも体験をし てもらって・・というやり方を通しているので特に問題が起きたことはいままでないのですがメンバーとスタッフの意識のあり方も様々ですし、グループワーク での男女の接触なども一人一人のメンバーも様々なのでやはり気を配っているのが現状です。私はもっとダンスセラピーというものが医療の現場で患者と治療者 という縦の関係から寄り添うものとしての横の関係・・治療というたちばよりもう少し現実の生活に近い場の橋渡しとして存在すべきではないかと感じていま す。そしてそれは医療関係者とももっとコンタクトをとりながら存在するようになっていってほしいという希望もあります。もちろんセラピスト側の意識と専門 性も高める必要性があるというのは当然のことなのだと考えています。しかし、いくら学問としての専門性があったからといって現場で通用するかというとそれ は全くの別問題であるということも事実です。そういうすべてのことを含めて、いろいろな場で活動されている方たちの体験等を知る場や意見の交換を行いその 中でこの日本ダンス・セラピー協会としてのあり方そしてそのことを会員それぞれが意識して模索していくことができれば日本におけるダンスセラピーというも のが花開いていくのではないだろうかと感じました。新鮮で謙虚な気持ちでそんなことを感じながら一般的には取っつきにくそうな倫理とプロェッションという ことことについての講座を受講していました。
 初めてダンスセラピーの大会に参加して様々な人たちが様々な思いで参加しているのだとなあということを肌で体験したなかで私はワークショップのテクニカ ルなこともさることながら山中先生の講座のようなお話をフィードバックするような時間があればいいなぁ・・・とそんなことを思いました。(竹内実花)

3つの講座を通して

 私が参加したのは、清家久美子先生の「中高年のための踊り教室」、大沼幸子先生の「高齢者のためのダンスセラピー」、平井タカネ先生の「ダンス・リズム運動の精神生理学」の3つの講座でした。
 清家先生の講座はドンパン節など民謡や盆踊りの動きをもとにしたもので、一般健常者向けの有酸素運動と言えるものでした。心拍数が手頃なところに上がる ので、個人の動ける範囲や条件を生かして行なえば、とてもよい運動になります。指導者は完璧な動きをやりますが、受ける側は自分のレベルを常に考えて、講 師の動きを真似るのではなく、自分の肉体、体力に合わせていけばよいでしょう。
 その人の条件を考えれば、「楽しむ」という点で自然な動きが取り入れられ、運動の効果が出てくると評価できます。療法対象者の適した時間でできれば気持ちよさがあり、力が湧いてきます。
 大沼先生の講座は高齢者を対象にしたもので、イスを取り入れたり、座ったままでの動きが創作されていて、高齢者の体力にちょうどいい動きになっていました。これまでの実践の中で見つけてきた動きなのでしょうが、運動量からしてもひじょうに理に適っています。
 自然の中で生きている自分を十分考えさせてくれる動きがありました。「気」というと難しくなりますが、自然との一体感や自分の中の自然な動きが自分に 合っているのでしょう。そこにうまく音楽があることでα波も出て、終った後の活力源となっています。今後はこれを科学的に証明していくことが必要でしょ う。
 平井先生の講座はこうしたことを科学的に理論づけたものです。平井先生のお話は、3年ほど前、芸術療法学会で伺ったことがありました。一番学術的に発表 しているグループとして印象に残っています。今回の講座でも、人間が生きていること自体が動きであり、ダンスであるという内容でした。自分がどのレベルに 持っていければいいのか。「動かない」ということも「動かないという動き」として人間は生きている。それ自体が動きです。そこに音楽が流れ、ダンスになっ ていくのですが、これは音楽療法と切り離せないものだと思いました。今度は失敗した例や、効果を生み出せなかった例なども検証していければと思いました。 (重川敬三)

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