第7回東京大会

日時:9月19日(土)・ 20日(日)
場所:KDD研修センター(埼玉県北足立郡伊奈町)
大会会長:星野 仁
大会テーマ:つながろう、ひろがろう !

プログラム

○ワークショップ
 柳田知子 「西アフリカのダンスを踊ろう」
 梶明子  「ダンスムーヴメントセラピー体験グループ」
 斉藤葉子&堀切敍子「JOKO & YOKO's workshop "遊ぶ・踊る/踊る・遊ぶ"」
 松原豊  「楽しく自然なダンス・ムーブメント 〜肢体不自由児・者を対象とした〜」
 出岡晃代 「ボディー・トーク自然体運動」
 城石明喜子「ふれあいの原点としての体ほぐし」
 増田明  「ボーカル・ダンス ―素直な自己実現のために」
 大野慶人 「舞踏」
 芙二三枝子「芙二三枝子のダンスセラピー」
 ナーマ・シュクラー
      「あなた自身の旅のガイドとしてのからだ」
 照屋洋  「ドラマへ」
 高橋ヒロ子「1. 赤いレイ 2. カイマナ・ヒラ」
 村井千枝 「わたしも踊り手です」
 山岡有美 「ポーカーフェイスを脱ぎ捨て -エアロビック
       ダンス & リラックスムーブメントセラピー-」
 神宮京子 「ダンス/ムーヴメントセラピー・グループ体験」
 やまもとひろみ&永井順子
      「DAMクリエーションセラピー」(DAM=ダンス、アート、ミュージック)
○レクチャー:基礎論や心理学のレクチャー、研究発表
 平井タカネ「ダンスセラピー充実のために」
 崎山ゆかり「ダンスセラピーとカウンセリング 〜ADTAの現状について〜」
 尾久裕紀 「精神疾患をもつ患者さんへの対応」
○特別ワークショップ:近接領域(サイコドラマ、音楽療法)
 中込ひろみ「サイコドラマ」
 清田真理子「音楽療法(ミュージックセラピー)」
○シンポジウム
 「ダンスセラピーの今そしてこれから」 現状確認、就職問題、今後の発展の方向
  神宮京子、松原豊、梶明子、崎山ゆかり(司会)
※フリーマーケットあり

総会

 1998年9月19日(土)、KDD研修センターにおいて、第7回総会が開かれた。議長は星野仁理事(第7回総会大会会長)、副議長は清水美和子理事(第8回総会大会会長)であった。

議題1 平成9年度事業報告
 町田章一理事(事務局担当)から次のような報告があり、承認された。

(1) 理事会を1回(1998年9月18日)開いた。(内容については「理事会報告」を参照)

(2) 第6回総会大会(1997年9月14日〜15日)を開催した。平井タカネ理事が総会大会会長、奈良女子大学が会場となり、約200名の参加者があった。大会基金に5万円を寄付することができた。

(3) 機関誌「JADTA News」を5回(29,30,31,32号+26号)を発行した。欠番となっていた26号が発刊された。星野仁理事、町田章一理事担当。

(4) インターネットにJADTAのホームページを正式に開設することが理事会で決まった。星野仁理事担当。

(5) 研究会を12回開いた(第46回〜57回)。大沼幸子理事担当。

(6) 会費督促の件。吉田恵美子理事、町田章一理事担当。

経過:昨年の第1回理事会、第6回総会において、懸案となっていた会費督促に関し、町田事務局長の責任で会費納入状態を調査し理事会に報告するよう求めら れた(JADTA News No.29,p.3参照)。事務局長は会費納入状態を調査し、1997年12月15日付けにて理事会の構成員に対し文書で報告した。この報告に基づき、 1998年6月1日付けで町田章一理事(事務局長)と吉田恵美子理事(会計担当)の名前で、会員全員に会費納入状態の報告と督促を行った。この経過を踏ま え、次の事項が理事会で審議の上、決定されたことが報告され、会員の理解と協力が求められた。

(a) 入金者不明金1件。1994年1月21日に年会費として 94,000円が一括入金されているが、内訳が不明のため、入金者を特定できなかった。第2回京都大会で納入されたものと推測される。心当たりのある会員は町田事務局長までご連絡下さい。

(b) 入金者の連絡先不明2名。入金のみ行って、入会申込書を送って来ない人が2名いる。連絡先が不明なので連絡できない。ちかまつ のりこ様(1996年9月25日入金)、さとう あきお様(1996年10月21日入金)。心当たりのある会員は町田事務局長までご連絡下さい。

(c) 振替用紙。会費納入の際に必要とされる入金手数料は会員が負担していたが、1998年6月1日付で会費督促を行った時には、手数料受取人払いの振込用紙を 同封した。手数料受取人払いの振込用紙を同封するのはこの時だけとし、次回からは手数料払込人払いの振込用紙を用いますので、ご了解下さい。

(d) 会費滞納者の除名条項。現行の会則に「第5条 (2) 理事会は3年以上にわたって会費を滞納した会員を除名することができる。」という条項を付加することが提案され、会員の賛成が得られた。

(6) その他、国内国外にて会員がワークショップを開いたり、学会発表を行ったり、論文や著書の執筆活動を行った。

*「第32回ADTA(米国ダンス・セラピー協会)年次総会がフィラデルフィアで開催され、に芙二三枝子、増田明、城石明喜子、斉藤葉子、崎山ゆかり、鹿島由起、鹿島有子、永井順子、佐藤未菜、町田章一他が出席した。

*芸術療法学会主催の「芸術療法研修セミナー」(1998年8月21日〜23日)では今年もダンス・セラピーが取り上げられ、町田章一他が講師となった。

*芙二三枝子が『芙二三枝子のダンス・セラピー』を出版した。


議題2 新入会員、退会会員の報告
 理事会で入会を承認された「新会員リスト」と「退会者リスト」が読み上げられ、事務局から説明がなされた。

新会員リスト(33名、入会手続き終了順)
 宇佐見泰生(明石市)、藤島尚子(秋田県鷹巣町)、郷田千秋(富山県上市町)、塩見優子(岡山市)、天野敬子(東京都豊島区)、望月薫(国立市)、保津 真一郎(西宮市)、横井妙(郡山市)、永田映子(つくば市)、関松美(東京都世田谷区)、杉本清美(札幌市)、深谷香子(東京都練馬区)、鹿野圭子(広島 市)、藤本浩子(高槻市)、安部田奈緒美(茨城県玉里村)、岩淵秀子(仙台市)、吉田美保(和歌山市)、名田部直子(厚木市)、伊熊泰子(東京都新宿 区)、大嶺悦子(苫小牧市)、宮崎紀栄子(東久留米市)、中田亨(横浜市)、島岡みどり(名古屋市)、渡辺義行(東京都世田谷区)、福島理恵(市川市)、 中野一恵(熊谷市)、加藤由美(山形市)、清水美樹(川崎市)、東海林真保(東京都大田区)、藤田美智子(京都市)、石川容子(名古屋市)、古川緑(東京 都世田谷区)、坂野玲子(春日井市)

退会者リスト( 9名、退会連絡受付順)
 喜多尾浩代(金沢市)、クレス飛来(横浜市)、小池能里子(東京都世田谷区)、芳野香(京都市)、川島千賀代(神戸市)、池見隆雄(福岡市)、丸田ゆり子(大阪府箕面市)、松村知枝(野田市)、石丸律子(堺市)

 これまでの会員は 203名であったので、現在の会員数は 227名(=203+33-9)となった。

議題3 平成9年度会計報告、会計監査報告
 吉田恵美子理事(会計担当)から会計報告資料(6ページ参照)が配布され、町田章一理事から説明があった。照屋洋監事、清水美和子監事による会計監査報告の後、会員から承認された。

議題4 新役員の選出
(1) 理事の選出:立候補者、推薦者は無かった。事務局案が出され、承認された。
新理事(五十音順):岩下徹、梅田忠之、大沼幸子、鹿島有子、鹿島由起、鍛冶美幸、神山五郎、菅野紀子、斉藤葉子、佐伯敏子、崎山ゆかり、増田明、庄司正 臣、城石明喜子、平井タカネ、平田豪成、芙二三枝子、星野仁、堀切叙子、町田章一、松原豊、山岡有美、山中克己、吉田恵美子(24名)

(2) 会長、副会長、事務局担当理事の選出:新理事の中から以下の者が選出され、承認された。
  会長(1名):芙二三枝子
  副会長(2名):岩下徹、増田明
  事務局担当理事(1名):町田章一

(3) 監事の選出:立候補者、推薦者は無かった。事務局の不手際により、事務局案を作成していなかったので、後日検討することになった。
 *ついてはこの場を借りて「前期に監事をお願いした清水美和子理事、照屋洋会員にもう1期、続けて監事をお願いする」という案を事務局長から提案しま す。ご意見のある会員の方は、1998年12月31日までに町田事務局長あて、文書にてご連絡下さい。連絡が無かった場合は、会員の皆様から承認されたも のとします。連絡があった場合には、対応について理事会で検討します。

(4) 評議員の選出:立候補者、推薦者は無かった。事務局案として、理事、監事以外の創立会員全員が推薦され、承認された。
評議員(五十音順):荒川香代子、飯田洋子、市川照代、小口江美子、小野久美子、小野寺毅、小山田有里、葛西俊治、河辺初子、クロード・ロベルジュ、桑原 かよ、小林芳文、境田雅之、坂本徳俊、佐藤美智代、佐藤美菜、柴田文雄、島根ちひろ、武井路子、田中ふみ子、恒川洋、戸田由美子、楢林理一郎、西川小百 合、橋本光代、畑中若恵、平岡芳美、藤本美和子、藤原靖子、村井千枝、元吉京子、森実仁美、山崎則子、山路弘樹(34名)
*これまで評議員であった秋里ゆきよ、芳野香は退会しました。

議題5 平成10年度事業計画、及び、予算案
 町田章一理事(事務局担当)より、例年通りの規模で行われることが提案され、承認された。なお、
 *『ダンス・セラピー研究(仮称)』を発行する。
 *資格認定制度の検討をさらに進める。
の2点が強調された。

議題6 第9回総会大会会長の選出
 第9回総会大会会長の立候補者、推薦者は無かった。事務局案として菅野紀子理事(秋田県田沢湖町)が推薦され、選出された。なお、来年の第8回総会大会会長については、昨年の奈良大会において、清水美和子理事(富山県高岡市)が選出されている。
 なお、理事会の案として「2001年は東京で開催すること」と「バリ島で行う件については、任意のツアーを組織し、参加者を募ること」が提案され、承認された。

議題7 その他
 閉会に先立ち、清水美和子第8回総会大会会長から、出席者全員に挨拶があった。
                       以上
                (文責 町田章一)

会計報告

<収入の部>
 項目   金額(円) 摘要
繰越金   406,835
入会金    32,000 1,000×32
年会費   165,000 一般5,000×33
       15,000 学生3,000×5
     1,089,600 未納会費×65
受取利息     202
――――――――――――――――――――――
合計   1,708,637

<支出の部>
 項目     金額(円) 摘要
印刷製本費   293,769 会報印刷発送委託費
通信運搬費   118,876 切手、宅配便代
事務用品費    22,625 紙ラベル等
消耗品費     79,348 封筒等
支払報酬手数料  55,145 編集料、銀行振込手数料
次年度繰越金 1,138,874
――――――――――――――――――――――
合計     1,708,637

            会計 理事 吉田恵美子

詳細

【ワークショップ】

●柳田知子「西アフリカのダンスを踊ろう」

 太鼓の生演奏とともに西アフリカ(セネガル・ギニア・マリを中心とする地域)の伝統舞踊を踊る。実技の前後に短いレクチャー、質疑応答の時間をつくります。
 カリフォルニア大学大学院ダンス学部で舞踊民族学を専攻し修士号を取得。専門は西アフリカの舞踊文化と西アフリカをルーツとする米国のアフリカ系黒人の舞踊文化。

●堀切敍子&斉藤葉子「JOKO & YOKO's workshop "遊ぶ・踊る/踊る・遊ぶ"」

 遊ぶ、あそぶ、一人で遊ぶ、二人で遊ぶ、遊ぶ、あそぶ、三人で遊ぶ、…みんなで そして ひとりで 遊ぶ あそぶ…

●出岡晃代「ボディー・トーク自然体運動」
●城石明喜子「ふれあいの原点としての体ほぐし」
●増田明「ボーカル・ダンス ―素直な自己実現のために」

 ボディートーク協会。

●村井千枝「わたしも踊り手です」

 I.障害のある人達による作品発表、II.レクチャー、III.ワークショップ。参加者全員がすぐに踊ることができます。
 10歳代よりずっと、「踊る・創る・考える」を続けている。パフォーマーズショップ代表。障害のある人と本職を別に持つ人と、舞踊家が一緒になる作品作りをしている。

●芙二三枝子「芙二三枝子のダンスセラピー」

 1947年芙二三枝子舞踊研究所創立。国内など、米国、英国中部等で公演を行う。ダンスセラピーとしては1970年代より研究を開始した。感覚を目覚めさせるエクササイズが「芙二三枝子のダンスセラピー」となり本年7月に本になった。

●やまもとひろみ&永井順子「DAMクリエーションセラピー」(DAM=dance,art,music)

 臨床現場でダンスムーブメントをとりいれながら、アートセラピー、ミュージックセラピーをそれぞれ行っている二人がジョイントして、型にはまらない試みをします。

●高橋ヒロ子「1. 赤いレイ 2 . カイマナ・ヒラ」

 ヘルス・アート…生命の躍動を踊る気功ダンスフラ。フラは自然と自分を体で表す体言語ボディーランゲージ。楽しく踊れば脳内活性化させ、心身のバランスを整えて自然治癒力を高めます。体の歪み、姿勢もよくなり、健康で明るい前向きな性格を創ります。
 日本心身医学協会会員(セルフ・ケア・アソシエート認定)。気功ダンス、フラ実践研究。玄米自然食実践アドバイザー。

●山岡有美「ポーカーフェイスを脱ぎ捨てて -エアロビックダンス & リラックスムーブメントセラピー-」

 動と静の調和により、体の奥に居座っている緊張を弛め、心身を解放させます。心・体・精神を統合したホリスティック(全体的)なものとして捉え、イキイキした新しい自分に出会う喜びをお楽しみ下さい。タオル持参。
 日本女子体育大学非常勤講師、東都リハビリテーション学院講師、日本エアロビックフィットネス協会理事。モダンダンサーを経て1982年日本におけるエ アロビックダンスエクササイズの指導のパイオニアとして普及に活躍。1988年米国西海岸にあるタマルパ研究所にて「リラックスムーブメント」をアンナ・ ハルプリン女史に師事。

●照屋洋「ドラマへ」

 参加される人数によって行う内容も違ってきますが、ウォーミングアップ、からだほぐし、他者にふれる、物にふれる、人とつながる、気づく、感じる、声を出す、ことばを届かせる、話しかける、即興のエチュード等、場合によっては仮面のレッスン、気功等も考えています。
 中学校教諭。現場で子供たちと向きあう「からだ」について考え始め、1981年、竹内敏晴演劇研究所の「からだとことばの教室」に通う。依頼、仮面や舞踏、演劇、気功等を学びながら、学校で子供たちとからだのレッスンを続けている。

●神宮京子「ダンス/ムーヴメントセラピー・グループ体験」

 グループで行うダンス/ムーヴメントセラピーのセッション体験と、その体験のsharingを基にディスカッションをします。
 1996年にNYハンターカレッジのDMTプログラムを修了し、ADTA認定のDTRになる。現在群馬病院にてダンス/ムーヴメントセラピストとして勤務。

●梶明子「ダンスムーヴメントセラピー体験グループ」

 ダンスムーヴメントセラピーの基本的な概念を、実技を通してご紹介いたします。質疑応答では、実際の臨床の場面で生ずる疑問などを中心にお答えいたします。
 幼少の頃よりダンスを始め、日本大学芸術学部、同大学院、ロンドン大学大学院を経て、ラバンセンターにてダンスムーヴメントセラピーを学ぶ。現在は博士 課程進学のため、西欧的ダンスムーヴメントセラピー理論の日本におけるアダプテーションについて研究している。ロンドン在住。

●ナーマ・シュクラー

●松原豊

●大野慶人

【レクチャー】

●崎山ゆかり「ダンスセラピーとカウンセリング 〜ADTAの現状について〜」

 ADTAが昨年から全米カウンセラー協会との提携をすすめているその経緯を紹介しながら、ターニングポイントをむかえているADTAの現状を述べ、ダンスセラピーとカウンセリングの関係を考える。
 1962年生。1990年、奈良女子大学大学院文学研究科修了。現在、奈良県健康づくりセンター勤務。DTR(ADTA認定ダンスセラピスト)。

●平井タカネ「ダンスセラピー 充実のために」

 ダンスや身体動作の内容とセッションの構造など、ダンスセラピーの場の基礎的な考え方、実践についてビデオなどもみながらお話しします。
 奈良女子大学文学部教授。1984年医学博士、1998年ADTR。

●尾久裕紀「精神疾患をもつ患者さんへの対応」

 精神疾患をもつ患者さんにセッションを行う場合、ダンスセラピストとして最低限知っておかなければならない精神医学的、及び法的な知識と対応についてお話しする予定です。又、フロアーから具体的な質問を出していただき、皆で検討していく時間を作りたいと考えています。
 東海大学医学部卒業。現在、北青山診療所院長。大学病院の患者さん、単科精神病院の患者さん、一般の方へのダンスセラピーを行いながら、心療内科、精神科領域におけるダンスセラピーの意義を検討中。

【特別ワークショップ】

●中込ひろみ「サイコドラマ」

 サイコドラマは「ウォーミングアップ」と「ドラマ」と「シェアリング」の3つの段階で進めていきます。グループの人数や目的や凝集性の程度などに合わせ て、心を表現しやすい雰囲気をつくるウォーミングアップをして、ドラマに移ります。一人の主役を選ぶこともあり、オムニバスのドラマをすることもありま す。そしてシェアリングでは、みんなで感じたことを分かち合います。
 1988年、オーストラリアン・カレッジ・オブ・サイコドラマでM. Claytonに師事。東京サイコドラマ協会認定ディレクター。ヒムサイコドラマ研究会主宰。

●清田真理子「音楽療法(Music Therapy)」

 1) MTレクチャー、2) MT内での音楽とムーブメント、3) 音、空間、楽器についての話と模擬体験、4) リラクゼーションなど心理療法でのMT。
 公認音楽療法士、心理療法士。清瀬精神療養所、愛知県立ガンセンター、大宮共立病院ナーシング・ピアを経て現在フリーで音楽療法を実施、大学講師(看護・心理科)。

参加報告

感動!! ダンスセラピー体験記
           深沼マリ

 9月19・20日の伊奈・KDD無線山は、前日までのグズついた天気など、まるでウソのように澄んだ青空が広がり、良く手入れされた芝生と、深い緑の樹木をわたるさわやかな風も、初参加の緊張感をやさしく解してくれているようだった。

 受付を済ませた後、三つあるセッションの中から、一つを選ばなければならないのだが、どれもそれぞれに興味を引かれる内容で、迷った末にまずは、梶明子 「ダンス/ムーブメントセラピー・体験グループ」に参加することにした。円陣を作り、ウオームアップをしながら簡単な自己紹介。静かな音楽が流れマッサー ジするように思い思いに体を動かす。音楽やリーダーの言葉掛けに応じ、それぞれが自分の世界に浸って動いている。が、次第に他者の動きから触発されたよう に、2〜3人の即興ダンスのようになったり、全員を巻き込んだ動きになったりする。色とりどりの布や大小様々なボールが出て来て、さらに布やボールを媒介 にして他者とのムーブメント・コミュニケーションが広がって行く。カーニバルのような華やかさとスピード感、嬌声・坤き声・喧騒。そのうち疲れたようにへ たり込む人・人…。布が持ち寄られ積み上げられると、それを取り囲みみんなで一休み。…すると輪の中で踊り出す人あり。一人二人と引き摺り込まれて、また みんなで踊りだす。最後は手を繋ぎ、輪を大きくしたり小さくしたり、押しくら饅頭で「人類皆兄弟」的感触を味わいながら収束。感想を述べ合うシェアリング では、みんなの顔がキラキラと輝いているのが印象的だった。初めてのセッションで、ダンスセラピーの持つダイナミズム・癒しの神髄に触れるような、穏やか で暖かな満足感に全身が包まれ、人・場・時への感謝の気持ちが湧いてきた。

 午後は中込ひろみ「サイコドラマ」それから大野慶人「舞踏」。共に初体験だがダンスセラピーとは一味違った、セラピー効果が感じられたワークショップ だった。特に、大野慶人さん(今年92歳にしてなおかつ世界の桧舞台に立つ、舞踏家大野一雄さんのご子息)については、プログラムを見たときより、楽しみ にしていたもので、その立ち姿といい話す言葉といい、違う世界の人に出会ったような鮮烈な印象を覚えた。立ち禅を思わせる歩み、哲学的思惟に富んだ語り 口。空間そのものが別次元のような場に立ち会えた充足感、静譜とも言える所作を通して、心の塵が払われるような清々しさを感じた。

 翌日はダンスセラピーを2セッション(ナーマ・シュクラー「あなた自身の旅のガイドとしてのからだ」、神宮京子「ダンスムーブメントセラピー・グループ体験」)とレクチャー(尾久裕紀「精神疾患をもつ患者さんへの対応」)を受けた。

 「ボディーワークス」「クリエイティブダンス」等、私からの情報を、いつも快く会報に掲載して下さり、そして大会では激安料金で、総会・シンポジウム・ 懇親会まで参加させて頂いたこの2日間は、私にとってまたと無い・得難い体験の連続だった。ダンスセラピーのことが少し分かりかけ、その効力・必要性が認 識できたが、実社会での認知はまだこれからとのこと。心の領域と深く関わるアートの分野こそ、硬直した社会にメスを入れ、人間関係の結び直しをするものと 思うのだが。

◆ふかぬま まり あっぷるはうす主宰


第七回大会に参加して
      天野敬子

 いやあ、とにかく楽しかったです。見ず知らずの方たちとあんなに盛り上がったセッションが出来るとは、思ってませんでした。ムーブメントによるコミュニ ケーションがこんなに楽しいものだったとは・・・ 私の中で『ダンスセラピーとは何ぞや』という命題がかなりクリアになり、たくさんのことを吸収させてい ただきました。

 ところで、私は、今、精神保健福祉士をめざして専門学校で勉強しています。精神保健福祉士、通称精神科ソーシャルワーカー(PSW)は、今年4月に精神保健福祉士法が施行され、国家資格となったのです。来年の1月に初めての国家試験が行われます。

 ダンスセラピーそのものについて学ぶことは出来ませんが、精神病とはどんな病なのか、とか、精神障害者に一番関係のある精神保健福祉法という法律につい て、また、集団援助技術(グループワーク)など、ダンスセラピストになるためには、知っておくべき知識を学ぶことが出来ます。また、精神病院等での実習も あります。精神保健福祉援助技術総論という教科書で、たったの一言ですが、集団精神療法の説明の中に『非言語的な活動を主とするもの(ダンスセラピーな ど)』という記述を発見したときには、希望の光を見たような気がしました。

 障害者プランによれば、2002年までに精神科デイケア施設を1000に増やすことが、目標となっています。ダンスセラピーをプログラムの中に取り入れ てもらえる可能性は今後広がっていくものと思われます。その際に、PSWの資格をもっていることは、有利だと思っています。もちろん、肝心のダンスセラ ピーの研鑽をつまなければなりませんが・・・

 第七回ダンスセラピー大会に参加させていただいて、崎山さん、神宮さん、梶さんという3人の女性が、アメリカやイギリスにおいて、非常に厳しいプログラ ムでダンス・ムーヴメント・セラピーについて学び、資格を取得されたことを知りました。彼女たちのパワーが今後の日本のダンスセラピー発展の原動力となっ てくれるであろうことを期待しております。私もせめて、まだまだ認知度の低い草の根運動的なダンスセラピーの草のひとつになれるよう頑張りたいと思いま す。つながろう、ひろがろう-----このネットワークを大切に育てて行きましょう!

◆あまの けいこ

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